ヒジャブデモ発端の女性死亡事件から1年 報じた女性記者の拘束続く
イランで女性がかぶる布「ヒジャブ(ヘジャブ)」をめぐり、大規模なデモの発端となった22歳のマフサ・アミニさんが急死した事件から、16日で1年を迎える。デモを力で鎮圧した当局は、事件についていち早く報じた女性記者も逮捕し、今も拘束を続けている。
この記者は、イランの改革派系新聞「シャルグ」のニルファール・ハメディさん(30)。ヒジャブの着け方が不適切だとして昨年9月13日に逮捕され、3日後に死亡したアミニさんの事件を取材した。当時、アミニさんが入院していた病院に急行し、抱き合って悲しむ家族の写真を旧ツイッター(現X)に投稿。広く拡散され、その後、国内外に抗議デモが広がった。
ハメディさんは9月22日、イラン当局に逮捕された。情報省などは、外国の情報機関がデモを扇動したとし、ハメディさんらが記者を装って情報を発信したと主張している。
一方、国外ではその功績が評価されている。今年6月には、アミニさんの事件で重要な報道をしたとして、獄中のハメディさんと別のイラン紙の女性記者に対し、世界ニュース発行者協会(WAN―IFRA)から「自由のための金のペン賞」が贈られた。
ハメディさんの裁判は7月25日に結審し、今は判決を待つ状態だ。同僚の女性記者マリヤム・ショクラニさん(33)は「彼女はジャーナリズムから外れることは何もしていない」と訴え、早期の解放を求めている。
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