ラッパー 宇多丸さん(53)
小学校の図書室にあった漫画「はだしのゲン」に大きな影響を受けました。自分たちの曲にも「ゲン」が登場します。身内に被爆者はいませんが、原爆投下のことを当たり前に考えてきました。
核兵器が使われたらどうなるか、世界はどこまでわかっているのかな。
ハリウッド映画を見ていると、「なめてない?」って思うことがよくあります。
「インディ・ジョーンズ」で主人公が冷蔵庫に入って核爆発から助かるとか、「ダークナイト ライジング」(2012年)で、街から少し離れた海で爆発させて一件落着するとか。エンタメ作品でも、いちいち言いますよ。日本人だからというより、「ゲン」を読んで広島、長崎で何があったか知っているから。
「エターナルズ」(21年)では米国映画でありながら原爆投下を悔いる描写があり、画期的と言われました。ただ、広島の街は一面のがれきとして描かれている。直視はしていないですよね。
鋭い映画批評でも人気を集める宇多丸さん。核をめぐる「物語」や、ウクライナ侵攻の受け止めを語ります。
実際、そこにいた人は一瞬で…
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