阪神大震災から能登地震へ、「がんばろう」は30年でどう変わったか

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上田真由美 永井靖二
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 「がんばろう神戸」のスローガンが、阪神・淡路大震災で被災地から社会へ発信されて間もなく30年となる。「がんばろう」という言葉への受け止めはどう変容したのか。災害の現地に探った。

 石川県・奥能登の「玄関口」にあたる穴水町では、倒壊した建物の解体作業が各所で進む。現場にも、行き交うダンプカーにも、いたるところに「みんなのチカラで!」の言葉が掲げられている。町の公費解体を請け負う「宗重商店」(金沢市)のキャッチコピーだ。

 町の宿泊交流施設だった建物を修繕して作ったベースキャンプには、同社のほか17道県から54社の協力会社が集まっている。会社ごとに、車両や重機の色はバラバラだ。統一感を出して町の人に正規の業者だと安心してもらい、あわせて応援の気持ちが伝わる言葉を考えた。

 社長の妻で取締役の宗守いづみさん(47)は、「被災者はもう十分、がんばっている。寄り添って一緒に、という気持ちが伝わるメッセージにしたかった」と話す。自身、最大震度7を観測した志賀町の出身。能登出身の社員も多い。発災から何日も無事が確認できなかったある社員は、帰省していた奥能登の実家が倒壊し、携帯電話も失って避難所で過ごしていた。

 2月、経営企画室の社員8人…

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この記事を書いた人
上田真由美
金沢総局|能登駐在
専門・関心分野
民主主義、人口減少、日記など市井の記録を残す営み
永井靖二
大阪社会部|災害担当
専門・関心分野
近現代史、原発、調査報道
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