脱線事故の原因は釘のゆるみ 熊本市電、全線で運転再開
12月31日に熊本市中央区花畑町で起きた市電の脱線事故について、市交通局は3日、レールと枕木をとめる釘が緩んでレール幅が広がっていたと発表した。事故の影響で運転見合わせが続いていた一部区間(水道町―辛島町)も含め、3日朝から全線で運行を再開した。
会見した市交通局によると、事故が起きた区間(約20メートル)を挟んだ前後の場所では、昨年秋の定期検査で、基準を最大十数ミリ超えるレール幅が確認され、昨年12月に幅を調整する工事をした。
その後、今回脱線した区間のレールに両側から力が加わってひずみが生じ、さらに普段の電車の振動もあって、レールと枕木をとめる釘が緩み、レール幅が基準より数センチも超え、脱線につながったとみられるという。
脱線区間のレール幅を調整した上で3日始発から運転を再開。当面は同区間は時速15キロに制限する。また、定期検査で数ミリ超えている場所が7カ所あり、来年度予定だった補正工事を今年度内に前倒しして対応するとしている。
会見した井芹和哉・交通事業管理者は「年末年始に大変ご不便をおかけしました。現在実施している安全対策がこのままでよいのかと感じた。信頼回復に努めたい」と謝罪した。
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