アジア版NATO「支持得られないだろう」 ASEAN事務総長会見

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ビエンチャン=武石英史郎 大部俊哉
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 東南アジア諸国連合(ASEAN)事務総長でカンボジア出身のカオ・キムホン氏は9日、ASEAN首脳会議が開かれているラオスの首都ビエンチャンで、朝日新聞のインタビューに応じた。初の外遊先として同地を訪れた石破茂首相の新政権への期待や注目点を語った。

 ――石破新政権の対ASEAN外交に何を求めますか?

 両者の間には包括的戦略パートナーシップがあり、それに基づく一貫性のあるASEAN政策を期待します。加えて、製造業の拠点をASEANに移転するといった、さらなる投資について日本にはできることがある。コロナ禍以前と比べて半分程度しか回復していない日本人観光客にも戻ってほしい。

 ――石破首相はアジア版NATO(北大西洋条約機構)を提唱しています。どう受け止めますか?

 なぜ、アジアにNATOのようなものが必要なのですか? 私たちにはすでにASEAN関連の様々な既存の枠組みがあり、それを優先させるべきです。さらに新たな枠組みをつくることは、地域の国々から支持を得られないでしょう。

「重要なのは平和と私たちの利益」

 ――ロシアのウクライナ侵攻…

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この記事を書いた人
武石英史郎
アジア総局長|東南アジア・南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
アジア、グローバルサウス
大部俊哉
マニラ支局長|東南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
安全保障、国際政治、貧困問題