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袴田巌さん無罪確定へ、検察が控訴断念「状況の継続、相当ではない」

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 1966年に静岡県のみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)を無罪とした再審判決について、検察当局が8日、控訴を断念する方針を固めたことが関係者への取材でわかった。

 検察が控訴する権利(上訴権)を放棄するか、控訴期限の10日を過ぎれば、袴田さんの無罪が確定する。

 その後の8日17時ごろ、最高検は畝本直美・検事総長名による異例の「談話」を発表し、控訴断念を明らかにした。

 畝本総長は談話で、証拠捏造(ねつぞう)を認めた静岡地裁判決について「捜査機関の捏造と断じたことに強い不満を抱かざるを得ない」と批判。ただ、再審請求審が長期にわたったことなどをふまえ、「袴田さんが結果として長期間にわたり、法的地位が不安定な状況に置かれてきた。検察が控訴し、その状況が継続することは相当ではない」と述べた。

 今年9月26日の再審判決は…

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