英国、要衝チャゴス諸島の領有権をモーリシャスへ 米英基地は継続

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ロンドン=藤原学思
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 英国がインド洋に浮かぶチャゴス諸島の領有権を、同じくインド洋の島国モーリシャスに返還する。両国政府が3日、共同声明を発表した。米国と英国の軍事基地は残るが、半世紀以上島を追われていた一部の元住民たちの帰還が可能になる。

 チャゴス諸島(英領インド洋地域)は58の島で構成され、陸地の総面積は東京都世田谷区と同程度の60平方キロ。モルディブの南に位置し、英国が1965年に編入した。最も大きいディエゴガルシア島は米英の共同軍事基地として使われ、アフガニスタンイラクでの戦争でも拠点になった。

 諸島はモーリシャスが68年に独立した後も英領として残されてきた。ただ、基地建設のため、住民らは強制的に移住させられた。英政府によると、その数は1400~1700人に上るという。

 モーリシャスは「違法に分離された」として、諸島の領有権を主張してきた。国際司法裁判所(ICJ)は2019年、「英国は統治をできる限り早く終わらせるべき義務を負う」とする勧告的意見を発出。国連総会も同年、賛成116カ国、反対6カ国で、半年以内に統治をやめるよう英国に求める決議を採択した。

■基地は今後99年、そのまま…

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この記事を書いた人
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論