学校タブレットの故障多発で、教育長が退任へ 代替機調達追いつかず

能登智彦
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 徳島県教育委員会の榊浩一教育長(60)が来年3月の任期満了を待たずに退任する意向を固めたことが29日、関係者への取材でわかった。県立学校に配備した「1人1台」のタブレット端末に故障が相次いでいる問題では、代替機の調達が追いつかず、引責するとみられる。

 県教委が2020年度に県立学校に配備したタブレットは、1万6500台のうち故障が9千台以上に及んでいる。榊氏は29日の県議会文教厚生委員会で「タブレット問題はいまも進行形で深刻。誠に申し訳ない」と謝罪した。

 この問題を巡っては、後藤田正純知事が昨年秋、「教育委員会だけに任せられない」として副知事に緊急対応を指示。2月15日の記者会見では、新年度の方針に絡んで「教育改革を進める。体制を含め抜本的に改革したい」と述べ、教育長の交代を示唆していた。

 知事は榊氏の意向を受け入れるとみられ、県と県教委は後任には、教育現場に精通し最新機器の活用にも詳しい人材を軸に検討している。早ければ開会中の県議会に人事案が提出される見通し。

 榊氏は鳴門教育大大学院で障害児教育を専攻し、養護学校教諭などを経て20年4月に教育長に就任。22年4月に2期目に入り、障害児教育の推進などに力を入れていた。29日、取材に対し「(進退は)ノーコメント」と答えた。

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この記事を書いた人
能登智彦
徳島総局|徳島県政担当
専門・関心分野
地方分権、ドイツ社会、民主主義