CMに「AIタレント」、俳優が寄稿で問うたもの リロン編集部から

Re:Ron 編集部から

リロン編集長・佐藤美鈴
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 先日公開された伊藤園「お~いお茶」のCMに「AIタレント」が登場し、話題になった。同社によると、テレビCMへの起用は日本初という。

 AIと言われるまで気が付かないほど自然な姿に驚くと同時に、これまで俳優や作り手を取材してきた身からすると複雑な思いが募った。ハリウッドでAIをめぐるストが続いていた状況と比べると、日本での問題意識の希薄さも感じた。

 ジワジワと日常に入り込んでくるAIにどう向き合うか。俳優で、芸能界の働き方の改善に取り組む日本芸能従事者協会代表理事の森崎めぐみさんに寄稿してもらった。〈11月20日配信「AIタレントの功罪『もっと危機感を』 権利課題の日本が最も推進?」(https://www.asahi.com/articles/ASRCJ0BF1RCHULLI001.html)〉

 「俳優の役作りは、脚本を与えられた時から始まる」の一文ではじまり、自身の経験も交えつつ、人間の俳優がどれだけの時間や情熱をかけて役を作り上げるかがつづられている。AIが起用される背景には「不祥事リスクの回避」「人間としての管理費がゼロ」など、コンプライアンスやコスト削減があるとみる。

 そして人間の俳優には仕事や権利、尊厳が損なわれるとの懸念も強いと指摘。もとより日本の芸能界では十分に契約が交わされていないとして、「世界で最もクリエーターに権利がないのではと感じられてしまう日本」が「世界の中で最もAIを推進しようとしているのでは」と投げかける。

 「文化はクリエーターだけがつくるものではない」と森崎さん。見る側も問われている。

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この記事を書いた人
佐藤美鈴
デジタル企画報道部|Re:Ron編集長
専門・関心分野
映画、文化、メディア、ジェンダー、テクノロジー
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