孤独感じる人が4割に 政府が新たに対策 年末年始は無料電話相談も
コロナ禍を経て深刻になっていると懸念されている孤独・孤立の問題について、政府が新たな対策に乗り出す。悩みを抱える人を支える「つながりサポーター」を各地で養成するほか、全国で支援策の好事例を共有できるデータベースもつくるという。
内閣官房によると、つながりサポーターは市民がボランティアとして担うことを想定。日常生活の中で知り合った孤独・孤立で困っている人と支援機関を橋渡しすることをめざすという。
孤独・孤立の現状や、支援のための基礎知識を自治体などでの講座で学ぶことを条件とすることを検討している。10月中にも有識者による検討会を設けて、サポーターの担う役割やカリキュラムの詳細を決める。
好事例のデータベース化も
また、一人暮らし世帯の見守り体制について自治体と郵便局が協定を結ぶなど、官民が連携した対策の好事例を集めて、今年度中のデータベース化をめざす。自治体やNPO法人などでノウハウを自由に活用できる仕組みにするという。
政府はコロナ禍の2020年に自殺者数が前年よりも増えたことなどを受け、21年2月に「孤独・孤立問題」の担当大臣を新設。来年4月には孤独・孤立問題を「社会全体の課題」と位置づける「孤独・孤立対策推進法」が施行される。
無料の電話相談も
今年12月15日~来年1月4日には、これまでも試行的に導入していた無料の孤独・孤立相談ダイヤル「#9999」を期間限定で開設。孤独・孤立や生活困窮、同性愛などの相談内容を選ぶと、支援団体に取り次がれる。地方在住の人からの相談でも、必要な場合は支援団体に橋渡しをするという。
政府は無作為で選んだ全国の16歳以上の2万人に孤独に関する調査を実施。昨年12月の状況を尋ねたところ、「しばしば・常に」「時々」「たまに」を合わせて「孤独であると感じた」と答えた人は計約40%で、初めて調査した前年の約36%から増えた。
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孤独・孤立対策推進法 「孤独・孤立は何人にも生じうる」として、その対策を国や地方自治体の責務とする。今年5月に成立し、来年4月に施行。背景には孤独・孤立で心身に有害な影響を受けている人たちの問題が深刻だとの考えがある。国は対策推進本部を設置し、対策の重点計画を作成する。
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