九州保健福祉大の雇い止め訴訟 大学側敗訴 2千万円の支払い命じる

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平塚学 星乃勇介
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 九州保健福祉大学(宮崎県延岡市)薬学部に助教として勤務していた40代女性が2018年に雇い止めに遭い、大学側に地位保全と賃金支払いなどを求めた訴訟の判決が6日、宮崎地裁延岡支部であった。和田将紀裁判長は助教としての地位を認め、雇い止め後の賃金計2066万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は、同僚から男性教授によるセクハラ行為の相談を受け、大学にセクハラ被害を投書で訴えた後に雇い止めにあった。大学側からは「経営難による人員整理」などと通告され、18年4月以降の契約は更新されなかった。裁判では地位確認と賃金の支払いなどを求めてきた。

 和田裁判長は2年の期限付き雇用の助教について、薬学部では10年をめどに契約が更新されることが想定されていたと認定。「原告が雇用契約の更新を期待する合理的な理由があった」などと判断。24年3月までの雇用の継続を認めて賃金の支払いを命じた。

 女性は判決後、「もう一度大学に戻り研究者として働きたい」と述べ、復帰が認められなければ控訴する意向を示した。大学側は「判決内容を確認できていない。コメントは差し控えたい」と取材に答えた。

 訴訟は同じ時期に雇い止めに遭った4人が19年に提訴し、3人は今年1月に大学側と和解した。

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この記事を書いた人
星乃勇介
宮崎総局|延岡駐在
専門・関心分野
防災・不登校・人口減・公共交通・お産