古川聡さん、2度目のISSへ スペースXの宇宙船が打ち上げ成功

ワシントン=合田禄
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 米航空宇宙局(NASA)と米スペースXは米東部時間26日未明(日本時間26日夕方)、フロリダ州のケネディ宇宙センターから宇宙船「ドラゴン」を打ち上げた。宇宙船は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の古川聡飛行士(59)ら4人を乗せ、27日朝(日本時間27日夜)に国際宇宙ステーション(ISS)に到着する予定。

 搭乗したのは古川さんと、米国のジャスミン・モグベリ氏とデンマークのアンドレアス・モーゲンセン氏、ロシアのコンスタンチン・ボリソフ氏。

 打ち上げから約25分後、宇宙船内からの交信で古川さんは「宇宙に行けてうれしいです。日本のみなさん、ISSで仕事をしてきます」と話した。約半年間、ISSに滞在する。

 古川さんは2度目の宇宙飛行で、前回は2011年に165日間、ISSに滞在した。今回の滞在では、将来の有人宇宙探査に向けて二酸化炭素除去装置の技術実証などに取り組む。

 スペースXのドラゴンはNASAやJAXAなどの宇宙飛行士がISSへ行くための移動手段として、20年に本格運用が始まり、今回が7回目。事故は一度も起こしていない。このほか、民間人を乗せた商業飛行も実施している。

 11年のスペースシャトル退役後、NASAの宇宙飛行士がISSへ行く場合、ロシアのソユーズ宇宙船に搭乗していた。米国企業のスペースXの宇宙船が安定的に運用されていることは安全保障、外交の観点からも大きな意味を持つ。米航空機大手ボーイングも新型宇宙船「スターライナー」を開発中。すでに無人飛行でISSに到着する試験は成功させているが、有人飛行の予定は遅れている。

 古川さんは今年1月、責任者を務めた研究でデータの捏造(ねつぞう)や改ざんがあった問題で戒告処分を受けている。

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この記事を書いた人
合田禄
アメリカ総局|科学・米国政治担当
専門・関心分野
科学、医療、気候変動、宇宙開発