連日の搬送困難もコロナは3割弱 「異常事態」経験した沖縄の教訓は
新型コロナの感染症法上の位置づけが5月に5類に移行した後、沖縄県では他の地域に先行してコロナの流行が拡大しました。県立中部病院でコロナ診療をする高山義浩医師に、3カ月間の様子やこの夏の注意点を聞きました。
――5月に5類に移行してから、どんな変化がみられましたか。
これまでの流行は、まず若者たちで流行し、それから中高年層へと広がってきました。しかし、今回は、幅広い年代において、同時に感染の広がりを認めました。シニア層の活動性が、若者並みに元に戻ってきたと感じます。
――医療への影響についてはどうですか。
軽症者が一部の救急外来に集中する状況はなくなりました。5類に移行してから、コロナ診療をする診療所が増えています。また、軽症であれば受診しない若者も増えたと思います。
ただ、救急医療の逼迫(ひっぱく)は変わらず起きており、救急患者の搬送困難事例が急速に増えました。
5月末からの8週間で、救急隊が4回以上受け入れを照会した「救急搬送困難事例」は、計441件にのぼります。
「断らない救急医療」を堅持してきた沖縄では、コロナ前、こうした困難事例は年に数件程度しかありませんでした。それが毎日のように発生してしまったのは、異常な事態としか言いようがありません。
――コロナ患者の受け入れができないのでしょうか。
441件のうち、コロナ患者は27%の119件にすぎません。7割以上がコロナ以外の病気の患者さんです。
コロナに限らず、重症度に応じた入院の判断を
――なぜ、そのような事態に。
コロナの感染者が増え、入院…
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