厚労相「遺憾な事態。助言指導する」 東京・江戸川区の遺体放置問題
東京都江戸川区の福祉事務所の職員が生活保護受給者の高齢男性の遺体を2カ月半にわたり放置していた問題で、加藤勝信厚生労働相は4日の閣議後会見で「遺憾な事態」と述べた。「(手続きが)しっかりと図られるよう助言指導していく」と話し、同様のケースが起きないよう各自治体に適切な対応を呼びかけていく考えを示した。
加藤氏は「事務所内で必要な情報共有が行われず、その結果としてチェック機能が働かず、適切な対応がなされなかった」と指摘。ケースワーカー(CW)の人員や経験不足が指摘されている点については「適切な人員配置がなされるよう努め、研修などを通じて資質の向上が図られるようにしていきたい」と語った。
江戸川区では1月、高齢男性が自宅で亡くなっていると医師から報告を受けたCWの職員が、遺体をそのまま放置。職員は約1カ月後に上司に男性が死亡したことは報告したが、上司は必要な手続きがとられているかを確認しなかった。
区によると、職員は遺体を放置した理由について「ほかの仕事があり後回しになった」と語っているという。