図書館貸し出し、ネット検索やバーコード不可に 紙でアナログ管理へ

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豊平森 伊藤良渓
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 神奈川県松田町図書館で7月1日から、利用者がスマートフォンなどで本の検索や予約をしたり、職員が本のバーコードを読み取って管理したりする「貸し出しシステム」が利用できなくなる。システム更新のための町の予算措置が遅れたためで、紙で貸し出しを管理する異例の「アナログ対応」を3カ月以上、強いられることになる。

 図書館は町中心部の生涯学習センターにある。運営する町教育委員会などによると、貸し出しシステムで約7万5千冊の蔵書を管理してきたが、システムを提供する業者が事業から撤退することになったという。

 このため、遅くとも今年度当初予算にシステム更新関連の予算を盛り込む必要があったが、予算編成の過程で本山博幸町長の判断で見送られた。

 本山町長によると、システム更新を機に、将来的に図書館と町立の全3小中学校の図書室の蔵書を一括管理できるシステムに広げたい意向があったが、予算編成段階では図書館単独のシステム更新を前提に作業が進んでいたという。

 システムは5年間のリース契約が予定され、今回を逃すと5年後まで機会がないと考えた本山町長は、予算計上を遅らせてでも3校をシステムに加えるために必要な情報収集をした後、計上し直す判断をしたという。

アナログ対応は3カ月半~6カ月程度に及ぶ見通し

 本山町長は取材に「申し訳ないと思っている」としたうえで、「小さな町でバラバラなのは合理性に欠ける。どの本があるかをお互いに検索できれば無駄がなくなる。町全体が(一つの)図書館みたいになると一番いい」と話した。ただ、3校図書室とのシステム連携はまだ具体化していない。

 システム更新の関係費用約935万円を盛り込んだ一般会計補正予算案は今月7日の町議会本会議で可決・成立した。

 だが、7月以降、新システム稼働まではインターネットを介した蔵書の検索、予約、貸出期間の延長などができず、館内でも利用者向け端末も使えなくなる。

 バーコードを使った貸し出しや返却などの管理もできなくなり、職員が新たに利用者別に作る紙の「貸し出し記録簿」に本の名前などを書き込んで、貸し出し状況を管理する方針だ。職員の負担増が予想され、貸し出し数は従来の1人5冊までから3冊までに減らすという。

 町は今後、新システム導入に向けて業者選定などの作業に入る。町教委の担当者によると、「アナログ対応」期間は最低でも3カ月半程度、状況次第では6カ月程度になる可能性もあるという。「10月中旬までに新システムが稼働できるように努力したい」としている。

図書館同士の連携に影響する可能性

 影響は、ほかの地域の図書館…

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