ピュリツァー賞、公益部門はAPのマリウポリ報道 写真部門でも受賞

ニューヨーク=中井大助
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 米国の優れた報道に贈られるピュリツァー賞が8日、ニューヨークのコロンビア大学で発表された。最も権威のある公益部門は、ロシアの侵攻を受けたウクライナのマリウポリから報道を続けた、AP通信に贈られた。

 AP通信は、国際メディアとして最後までマリウポリに残り、市内の惨状などを伝えた。ピュリツァー賞委員会は授賞理由で「ロシアによるウクライナの侵攻の中で起きた市民の殺害を伝えた、勇気ある報道」と評価した。ブレーキングニュース写真部門も、AP通信がマリウポリなどウクライナからの写真で受賞した。

 AP通信のジュリー・ペース編集主幹は受賞を受け、マリウポリの取材班の報道について「ロシアの誤情報の否定から、人道回廊の設定への貢献まで、すばらしい公益であり、ピュリツァー賞委員会に評価されたことをとても喜んでいる」と声明を発表。AP通信は、報道が「数千人の命を救った」というマリウポリの副市長の言葉も紹介した。

 他には、ニューヨーク・タイムズがやはりウクライナでの報道などを評価され、国際報道部門など2部門で受賞した。また、ワシントン・ポスト妊娠中絶に関する法律の変化の影響についての報道などで、3部門で受賞した。

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この記事を書いた人
中井大助
アメリカ総局長
専門・関心分野
アメリカの社会、政治、文化