大阪IR事業者、イメージ図めぐり謝罪 奈良美智さんらの作品と酷似
大阪府・市が提供していたカジノを含む統合型リゾート(IR)のイメージ図や動画について、運営側である日本MGMリゾーツ側は17日、世界的美術家の奈良美智さんや村上隆さんの作品のデザインが含まれていたと明らかにし、著作権者から「承諾を得ていない可能性が高い」として謝罪する文書を出した。
府市のIR推進局によると、イメージ図や動画は、IR事業者であるオリックスと米MGMリゾーツ・インターナショナル側から2021年7月と9月にそれぞれ提供を受け、公表資料に掲載するなどした。奈良さんが手がけた「あおもり犬」や、村上さんの花をモチーフにしたデザインの一部が使用された。
21年10月にも第三者から、動画の一部に奈良さんの作品に酷似したものが映っているという指摘を受け、同局が事業者側に確認したところ、「利用許諾を適切に取得している」とメールで回答を受けたという。坂本篤則局長は「非常に遺憾だ。なぜ利用許諾を得ていると回答したのか、その経緯も含めて調べさせている」と話した。
MGM側は「不注意によるもので、決して適切な手続きを経ることなく無断で使用する意図はなかった」とした。そのうえで「動画の使用を既に中止しており、今回の使用がなされておりましたあらゆる動画などの削除を進めております」とコメント。引き続き調査するとともに再発防止策を講じる、とした。
奈良さんの作品「あおもり犬」は哀愁を帯びた犬をかたどった高さ約8・5メートルの大型立体作品で、青森県立美術館(青森市)の屋外スペースに05年に設置され、地元のシンボル的な存在としても親しまれている。奈良さんが14日、自身のツイッターで、IRの動画などについて「大きな犬の自作イメージが出てくるのだが、使用を許可したこともない、というか許可自体を求められたこともない」と指摘していた。
一般財団法人奈良美智財団は17日、同財団が管理・運営するホームページ上で「著作者である奈良美智に許可なくこのようなイメージ図が作成されたことは極めて遺憾であり、著作権法に違反する行為と受け止めています」などとするコメントを掲載した。
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