フランスの年金改革法が成立 抗議デモ激化「従順な羊じゃない」

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パリ=宋光祐
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 フランス国民議会(下院)で20日、内閣に対する不信任案が僅差(きんさ)で否決された。マクロン政権が憲法の規定を使って年金改革法案の採択を強行したことに反発し、野党が超党派で提出していた。不信任案の否決で年金改革法は成立したが、国民の反対は根強く抗議デモが激化している。マクロン大統領の求心力低下は避けられそうにない。

 20日午後の採決では、下院の278議員が不信任案に賛成した。事前に賛成を表明していた右翼「国民連合」(RN)や左翼「不服従のフランス」だけでなく、年金改革を支持していた中道右派共和党からも3分の1近い19議員が賛成した。可決に必要な287議席まで9票差に迫った。

 政権側は財政悪化の懸念を強調し、受給開始年齢を62歳から64歳に段階的に引き上げる年金改革の必要性を訴えてきた。しかし、ストやデモが全国で頻発。ニュース専門局BFMTVが20日に公表した世論調査では、回答者の68%が内閣不信任案に賛成した。

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この記事を書いた人
宋光祐
パリ支局長
専門・関心分野
人権、多様性、格差、平和、外交