韓国・尹大統領、きょう来日 日韓「相互訪問の機会があること願う」

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ソウル=稲田清英
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 16日に初来日する韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は15日、朝日新聞、毎日新聞日本経済新聞の3社の書面での質問に回答を寄せた。今回の来日を機に、日韓の首脳が相互に往来する「シャトル外交」が再開されることに期待を示した上で、懸案となってきた徴用工の訴訟の問題では「両国がともに努力していく必要がある」と述べ、韓国政府が発表した「解決策」への日本の行動を望む姿勢を示した。

 尹大統領は16日に来日して岸田文雄首相と日韓首脳会談に臨み、17日には日韓の経済界のイベントなどに参加する。国際会議などの機会ではない韓国の大統領の単独での訪日は2011年以来となる。

 朝日新聞などの質問への回答で尹氏は、日本を様々な価値を共有する「パートナー」とし、首脳会談は積み重ねた信頼関係で実現するとして「形式や時期にこだわらず、随時、意思疎通していくことを希望している」と強調。日韓の首脳間で「問題があるたびに随時、相互訪問し、話し合う機会があることを願う」とし、「シャトル外交」の再開に期待を示した。

 日韓関係は、18年に韓国大法院(最高裁)が日本企業に戦時中の元徴用工らへの賠償を命じたことなどをめぐって悪化。尹氏は昨年5月の就任以降、一貫して関係改善を掲げ、韓国政府は3月6日に賠償分を傘下の財団が寄付金を使って肩代わりする「解決策」を発表した。回答で尹氏は「長期間滞っていた韓日関係を放置せず、国益の観点から、国民のために大局的なレベルで韓国政府が下した決断」と述べた。

 「解決策」には原告の一部が「日本を免責するものだ」とし、財団が肩代わりする形での賠償分の支給を拒む意思を示している。

質問への尹大統領の回答全文

記事の後に、尹大統領からの回答全文を掲載しています。

期待するのは日本の「行動」、対北朝鮮政策などにも回答

 朝日新聞がこうした状況や…

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