窓は全開よりも…寒い冬、換気どうすれば? ポイントは「風向き」

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杉原里美
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 新型コロナウイルス対策として、換気は重要だ。しかし、冬は窓を閉め切っていることが多い。効率よく換気するにはどうすればいいのだろうか。

 新型コロナは、空気中に浮遊する微小な粒子エアロゾルからも感染する。空気を滞留させないため、厚生労働省は換気の徹底を呼びかける。

 換気対策に力を入れている東京都千代田区は昨年夏、二酸化炭素(CO2)の含有率を測るCO2センサーを区民に貸し出し、身近な場所を測定してもらった。

 建築物環境衛生管理基準では、CO2含有率「1千ppm以下」が換気が適切かどうかの目安とされ、1人あたりの換気量が1時間あたり約30立方メートル確保されていることを示す。厚労省は、感染を防ぐ上で1千ppm以下を目安とすることに「一定の合理性がある」として自治体などに知らせている。

 測定した区民から寄せられた情報では、「自動車内」(約4700ppm)、「満員で窓が閉まった電車」(約2600ppm)など、特に交通機関で値が高かった。

 建物では、映画館や飲食店、公共施設より、自宅で1千ppmを超えているケースが目立った。

 記者も、同区からメディア向けに貸し出されたCO2センサーで測定してみた。

 値が高かったのは、雨の日の満員電車で2千ppm超。自宅は1500ppmだった。入店した飲食店で1千ppmを超えたことはなく、スポーツジムの更衣室は約800ppmだった。

 換気に詳しい工学院大学の柳宇(やなぎう)教授(公衆衛生学、工学)は、「適切な換気が求められる大型施設など(建築物衛生法で定められている特定建築物)では、換気設備が稼働しており、2カ月に1回は点検されている。マスクをして黙っている人が多い電車内も、感染リスクは高くない」と話す。

 一方、個人の住宅では換気が…

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この記事を書いた人
杉原里美
さいたま総局|県政・教育担当
専門・関心分野
家族政策、司法のジェンダー、少子社会、教育