岸田文雄首相は、LGBTなど性的少数者をめぐる「理解増進」法案の提出に前向きな姿勢を示した。しかし、具体策となると抽象的な答弁に終始。背景にあるのは根強い自民党内の反発だ。多様性を認め合う包摂的な法制度になかなか変わらない状況に、当事者らの反発は強まる。
性的少数者や同性婚をめぐる差別発言で、首相秘書官を更迭してから初めて出席した8日の衆院予算委員会。首相が繰り返し問われたのは「多様性」の尊重に対する本気度だった。
その中で首相は「LGBT理解増進法案」について「自民でも法案の提出に向けて準備を進めてもらっている」と提出に前向きな考えを表明した。差別発言で「今の政権の姿勢について誤解を生んでしまった。きちんと示そう」(首相周辺)という判断で、これまでより踏み込んだ。前日まで自民党幹部と首相官邸が繰り返し打ち合わせた答弁ラインだった。
閣僚経験者「こんな法律が簡単に作られちゃ」
しかし、具体論になると煮え…
【初トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら