元公務員ランナー・川内優輝のツイートが波紋 地元大会に苦言の真意

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佐藤純
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 「公務員ランナー」として世界選手権にも出場したプロランナー・川内優輝選手(35)=あいおいニッセイ同和損保=のツイッターへの投稿が、波紋を呼んでいる。「マラソンを政争の具にせず」という厳しい言葉もある。

 子どものころに埼玉県鷲宮町(現・久喜市)に引っ越し、陸上競技を始めた川内選手。埼玉県職員として、県立久喜高校などで働きながら競技を続けた。

 投稿は、久喜市が掲げるフルマラソン大会構想への疑問だった。

 提唱したのは、梅田修一市長。スポーツを施策に採り入れることに熱心で、昨年4月の市長選でフルマラソン大会の開催検討を公約に盛り込み、再選された。

 市は2024年度中の開催をめざす方針を打ち出した。

 昨年11月、スタート、ゴール地点の高低差などの条件を満たして日本陸上競技連盟の公認を得られるコースの設定や、想定する参加人数、事業費などの調査を、広告大手「電通」のグループ会社に委託した。

 これらの費用などをまかなうため、市は8月に100万円を目標にクラウドファンディングを始めた。

 だが、期限の11月末までに7万円しか集まらなかった。

 川内選手がツイッターでつぶやいたのは、そのころだった。

 「現市長の選挙公約のフルを無理に開催するよりも、前市長が作ったハーフマラソンを充実させるべきです」(11月27日)

 「ハーフマラソン」とは、市などが主催する「よろこびのまち久喜マラソン大会」。梅田市長就任前の16年に始まった。

 川内選手は17年に市の「くき親善大使」に委嘱された。よろこびのまち久喜マラソン大会ではスーツ姿や忍者の格好に仮装して力走し、盛り上げに一役買ってきた。長く暮らした久喜市に深い思い入れがあるとされる。

 新型コロナウイルスの影響で、大会は20年から3年続けて中止に。今年3月の第8回大会は、1・5キロ~ハーフマラソンの5種目で計6千人が定員だったが、約3100人の応募にとどまった。

川内選手にツイートの真意をたずねるとともに、梅田市長の考えも聞きました。

 12月7日のツイートでは、川内選手が知り合いの議員に市がフルマラソンをめざす理由を尋ねたところ、「市長の選挙公約だから」との答えだったと紹介。「開催理由として、全く魅力を感じませんでした」とつづった。

 川内選手に投稿の真意を尋ね…

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