急激な円安は「想定範囲を超えている」 企業のトップが懸念する影響
揺れ動く経済情勢を日本企業はどう展望しているのか。朝日新聞社では春・秋に主要企業100社へ景気アンケートを実施しています。物価高の影響や賃上げの取り組みなどについて、経営トップたちの視点を紹介します。
朝日新聞の主要100社へのアンケートで、急激な円安による日本経済へのマイナス影響があると答えた企業が計5割に及んだ。円安や資源高を背景に原材料価格は高騰を続けている。自社の経営にプラスの影響があるとした企業でも、慎重な意見が目立った。
調査は春秋の年2回行っている。今回は11月14~25日に実施した。
春先から急激に進んだ円安による日本経済への影響は、「マイナス影響が大きい」が11社、「どちらかと言えばマイナス影響がある」が41社となり、「マイナス」が5割に達した。
米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに転じた一方、日本銀行は大規模な金融緩和を続けていることから、日米の金利差拡大に伴い、円相場は急速な円安ドル高が進んでいる。9月に1ドル=140円台となると、10月下旬に一時、同150円台をつけて32年ぶりの円安水準を更新した。
旭化成の工藤幸四郎社長は「多くの企業の想定範囲を超えた急速な円安であるため対応策が十分に取れていない」。日本ガイシの小林茂社長は「輸出企業にとって円安は追い風というが、既に海外に拠点を移しており、プラス影響は限定的。むしろ原燃料高騰や製造コスト増が企業・消費者全てに重荷になっている」と指摘する。
訪日客増加の効果も
一方、円安による自社の経営…
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