ルラ氏返り咲きのブラジル 中南米で左派政権続々、増す中国の存在感

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サンパウロ=軽部理人
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 南米の大国ブラジルの次期大統領に左派のルラ元大統領が就くことが決まった。既存の右派政権への反発から内政が不安定化し、振り子のように左派へと代わる現象は近年の中南米で相次いでおり、外交面への影響が注目される。敗れたボルソナーロ大統領は選挙制度が「不正」だと主張しており、安定的な政権移行が妨げられる可能性もある。

 「世界はブラジルを求めている。先進国とも対等な条件で話し合うことができた、そんなブラジルを私は取り戻す」

 2億の人口を擁するブラジル。その大国を再び率いることになったルラ氏は10月30日夜、支持者らを前にした集会でそう述べた。

 市場経済を重視する右派の現職ボルソナーロ氏は、過激な言動から「ブラジルのトランプ」と呼ばれた。4年前の選挙戦では、パリ協定などからの脱退を主張。「本家」のトランプ氏と同様に国際協調の枠組みに縛られることを嫌い、外遊は歴代政権と比べて減少した。

 一方、ルラ氏は2003年か…

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この記事を書いた人
軽部理人
サンパウロ支局長|中南米担当
専門・関心分野
中南米の全分野、米国政治や外交