「お花畑正義感の人」発言、自民・城内実氏が質問状に回答 謝罪なし
自民党の城内実衆院議員(静岡7区)は27日、浜松市を拠点に活動している性的マイノリティーの当事者や支援者らでつくる3団体が出した質問状に書面で回答した。
城内氏は8月下旬、党の会合で性的少数者の差別解消に取り組む人たちについて「お花畑正義感の人たち」などと発言したとされる。3団体が今月21日、発言の真意を問うため城内氏の事務所に質問状を出した。回答ではまず、会合に呼んだ識者の講演から「声の大きな活動団体の主張がまるで当事者を代表しているかのように扱われ、当事者の方々の分断、ひいては社会の分断を招いている現状を伺った」と当時の状況を説明。
その上で、「性的マイノリティーをめぐる議論では様々な立場の当事者から話を聞くこともなく、一つの主張を絶対正義として振りかざすことがあってはならない、という趣旨で発言した」などと述べた。「非公開会議での発言の一部が切り取られて報道され、本来の趣旨と異なった形で伝わったことは残念」としつつも、一連の発言について撤回や謝罪はなかった。
また、城内氏が事務局長を務める「神道政治連盟国会議員懇談会」の6月の会合で、「(同性愛は)後天的な精神の障害、または依存症」などと書かれた冊子が配布されたことについては、「識者による講演内容が掲載されていると承知している。掲載内容は当該識者にご確認頂ければ」と回答し、回収には触れなかった。
3団体の一つの「浜松TG(トランスジェンダー)研究会」代表の鈴木げんさんは「そもそも質問の全ての項目に返事がないことが非常に残念」と指摘した上で、「回答の前提に誤解と偏見があるように感じる。3団体からの正式なコメントは後ほど出したい」と語った。回答は、鈴木さんらのコメントとともに浜松TGのフェイスブックに公開する予定という。
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