逮捕の祖母ら「USJに遊びに」 熱中症死の2歳児を11時間放置か
大阪府富田林市の団地の自室に2歳の女児を11時間放置したとして、大阪府警は30日、祖母の無職小野真由美(46)と、同居する内縁の夫で自営業、桃田貴徳(50)の両容疑者=いずれも同市小金台4丁目=を保護責任者遺棄の疑いで逮捕し、発表した。女児は29日に死亡し、府警は30日夕、死因は熱中症と明らかにした。
同市消防本部によると、29日の同市の気温は午後2時50分に34・5度になっていた。
捜査1課によると、死亡したのは小野優陽(ゆうは)ちゃん。2容疑者の逮捕容疑は、29日午前5時ごろ、優陽ちゃんを団地3階にある自宅の居間のベビーサークル内に閉じ込めて外出し、午後4時ごろまで置き去りにしたというもの。2人は容疑を認めているといい、同課は同致死容疑でも調べる。同課は2人が優陽ちゃんを両親から引き取り、育てていたとみている。
2人は府警に「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに遊びに行っていた」と供述。桃田容疑者は「これまでも何度か1人にして外出したことがある」と供述しているという。
府警によると、司法解剖の結果、優陽ちゃんは29日昼ごろに死亡したとみられる。最後の食事から半日以上が経っていたという。
同課によると、優陽ちゃんは両容疑者のほか、祖母の四男で叔父にあたる15歳少年と、五男の5歳男児の計5人で住んでいた。優陽ちゃんは29日、午前7時40分ごろ以降は1人になった。午後4時過ぎに15歳少年が帰宅し、ベビーサークル内で血を吐いて倒れている優陽ちゃんを発見。連絡を受けた桃田容疑者が同5時20分ごろ、「女児が息をしていない。硬くなっている」と119番通報した。
同課によると、優陽ちゃんに目立った外傷はない。部屋にはエアコンと扇風機があり、15歳少年は府警に「帰ってきた時にはついていた」と説明。現場に駆けつけた警察官が確認した際、エアコンの設定温度は28度だった。
ベビーサークルの高さは88センチで、2歳児が外に出るのは難しい構造だったが、内側に飲み物や食べ物はなかったという。
富田林市は30日記者会見し、優陽ちゃんについて虐待を受けている「要保護児童」と認定していたことを明らかにした。児童相談所から対応を受け継いだ20年10月以降、一度も家庭訪問をしていなかった。