芸能人ら対象に心の相談窓口開設 ハラスメント・中傷…悩み多き現実
俳優や音楽家らでつくる「日本芸能従事者協会」は1日、文化芸術の担い手が心の悩みをメールで臨床心理士に相談できる窓口「芸能従事者こころの119」を開設した。ハラスメントや誹謗(ひぼう)中傷、不安定な仕事などの悩みを抱える一方で、相談先が少ない芸能人やスタッフのために対応する。
芸能に携わる人の多くはフリーランスで、会社や組織の相談窓口、産業医の支援が得られない。同協会が5月に芸能従事者を対象に調査したところ、「相談窓口がなくて困ったことがある」と答えた人が6割だった。表舞台に立つ職業柄、顔や声で身元がバレたくないと、一般の相談窓口を利用しにくい事情もあるという。
この調査で、相談窓口について思うことを書いてもらったところ、相談できる場が必要という声が寄せられた。
「芸能で食っていけるチャンスが均等にあるわけではない芸能界、色々な不安で押しつぶされそうになるので話を聞いてもらえる場があるだけでも助かる」
「芸能従事者専門の公的な相談窓口が必要。メンタルケアが芸能従事者に施されにくい状況が良くない」
コロナ禍で文化芸術の業界は打撃を受けた。映画界などで性被害や暴力の告発も相次いでいる。1日に会見した、同協会の代表理事で俳優の森崎めぐみさんは「声を上げたことでさらに誹謗中傷されたり傷ついたり、混乱している状況。せっかく持ち上がった#MeTooのような動きが失敗に終わらなければいいなと懸念している。相談窓口がないことがもう許されないなという、切羽詰まった思い。何でもよいので打ち明けてほしい」と話す。
映画監督の深田晃司さんは相…