アレルギーの受刑者に甲殻類含む食事185回 取り除けばよいと判断

大久保直樹
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 甲殻類へのアレルギーのある男性受刑者(58)の食事で代替食を支給しないのは人権侵害だとして、鳥取県弁護士会は、鳥取刑務所長に対して代替食を支給するよう勧告したと発表した。勧告は7日付。

 勧告書によると、男性は2018年6月に入所し、エビなどの甲殻類アレルギーがあり、過去に意識を失ったこともあると申告。移送前の別の刑務所では代替食が支給され、引き継ぎもされていたが、鳥取刑務所は自分でエビなどを取り除いて食べられると判断。18年6月から21年5月にかけ、甲殻類やそのエキスが含まれた食事を少なくとも計185回支給した。

 同弁護士会は生命・身体の危険と隣り合わせの状態で、安全に配慮した食事を支給する義務に違反し、人権侵害だと指摘した。同刑務所は「当所の対応に違法な点はなかったと考えているが、アレルギーを有する被収容者の食事の給与についてはさらに検討したい」としている。

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この記事を書いた人
大久保直樹
神戸総局|東播地区担当
専門・関心分野
地方自治・過疎問題・原発・史跡などの文化財