アニメ放映見送り「感性の鈍さにぼうぜん」 知事が地元テレビを批判
児童や青少年の射幸心を過度にあおるとして、群馬県制作のテレビアニメ「ぐんまちゃん」を群馬テレビ(群テレ)が放送しなかったことについて、山本一太知事は28日の県庁の仕事納めのあいさつで「感性の鈍さにぼうぜんとした」などと持論を述べ、改めて群テレ側の対応を強く批判した。
放送されなかったのは12日放送予定だった第11話。競艇場を舞台に舟券を購入して大金を得たり、帰りの電車賃を失うほどお金をつぎ込んだりする姿が表現され、「子どもが見る時間帯の番組で内容がギャンブルそのものに終始している」として放送を中止した。
山本知事は群テレの幹部を念頭に「おそらくアニメを見たことがないんじゃないか。鬼滅の刃もワンピースも。世の中のトレンドやアニメの捉え方へのバランス感覚が多分ない。おそらく表現の自由みたいなことを考えたこともない」などと持論を展開。「トップマネジメントの恐るべき感性の鈍さにぼうぜんとした」とまくし立てた。
このアニメでは、10月に放送した競輪場を舞台とした回について、視聴者から放送倫理・番組向上機構(BPO)に複数の指摘が寄せられており、そのことも11話の放送を中止する群テレの判断に影響した。
群テレによると、BPOは10月の放送回については審議対象にしないとしているが、第11話については言及していない。だが山本知事は「BPOは全く問題にしなかった」と主張した。
BPOによると、10月の放送回について、委員からは「幼児向け番組に射幸心をあおる内容はいかがなものか」などの意見が出ていたという。