石原伸晃氏の政治団体、コロナ対策の助成金受給 「適正に申請した」
石原伸晃・内閣官房参与(64)が代表を務める政党支部が昨年、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者を対象とする国の緊急雇用安定助成金を受給していたことがわかった。東京都選挙管理委員会が公表した昨年分の政治資金収支報告書に記載があった。
厚生労働省によると、緊急雇用安定助成金はコロナ禍で営業時間の短縮などの事業縮小を余儀なくされ、直近1カ月の売り上げが前年同月比で5%以上減少するなどした事業者が対象。事業者が休業手当を支払った上で労働者を休ませるなどした場合、休業手当にかかった費用が助成され、1日最大1万5千円を受給できる。労働者を雇用していれば、政治団体も助成対象の事業者になる。
受給していたのは自民党の東京都第8選挙区支部。同支部の政治資金収支報告書によると、「その他の収入」の項目に、2020年4月分と5月分で計60万8159円を雇用安定助成金として受給していた。
石原氏の事務所は取材に、「所管官庁に確認した上で、必要な書類を添付し、適正に申請し、審査いただいたものと承知しております」と回答した。
政治資金に詳しい日本大の岩井奉信名誉教授(政治学)は一般論として、政治団体は寄付などが主な収入源であり、月ごとに見ていくと収入の増減は民間企業に比べ、そもそも不安定と指摘。増減がコロナ禍によるものかどうかは判別しづらい点を踏まえ、「政治団体が民間と同様に助成金制度を利用するのは、国民の理解が得られないのではないか」と話している。
石原氏は10月の衆院選で落選。その後岸田内閣の内閣官房参与に任命され、観光立国に向けた取り組みなどを担当している。