拾ったどんぐりから出た白い虫 専門家「土に潜らせて待ってみて」

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杉浦奈実
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 暑い暑いと思っていたのに気づいたら秋が深まっていた。足元につやつやのどんぐりが転がる季節だ。時間を忘れて袋いっぱい拾い、持ち帰った後で虫が出てきた経験を持つ方も多いだろう。身近な存在だが、よく調べると奥が深い植物でもある。専門家に楽しみ方を聞いた。

 市民向けの自然観察会などにかかわる大阪市立自然史博物館の長谷川匡弘・学芸員は、実と、イガやおわんのような形をした「殻斗(かくと)」、葉っぱを組み合わせて見ると、どんぐりにも色々な種があることがわかりやすいとアドバイスする。

 どんぐりは学術用語ではないので、はっきりした定義があるわけではない。一般的には、ブナ科の果実のことを指すことが多い。日本には、20種くらいが野生で生えている。「一つの場所でも、7~8種見つかることがある。多様性を知ってほしい」と長谷川さん。

 同じ種でも、地域によって遺伝的な背景は違うことがあり、特に公園の木は地域在来のものではないことがある。拾った後、別の場所にまくと地域本来の特徴を乱すことがあるため、避けるべきだという。

 どんぐりの木には関わる生き物も多く、生き物同士のつながりを感じられる。丸々したどんぐりをつけるクヌギの木は、カブトムシやクワガタが好む樹液を出すことで有名だ。

 拾って放置しておくと、いつの間にか穴から虫が出てきていることがある。熟したどんぐりから太った白い幼虫が出てきたなら、「シギゾウムシ」の仲間の可能性が高い。成虫はゾウの鼻のように、顔に長い「口吻(こうふん)」をもつ。

 どうしても幼虫が嫌だという人は、拾ってきたどんぐりをどのように扱えばいいのだろうか。長谷川さんは「一番簡単なのは冷凍庫に入れて駆除すること。でも、成虫はかわいらしいし、なかなか見られない。飼育ケースに幼虫と湿った土を入れて潜らせ、冬を越えて成虫が出てくるのを待つのもいいと思いますよ」と話す。

 拾ったときに穴があったらわ…

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この記事を書いた人
杉浦奈実
科学みらい部
専門・関心分野
生物多様性、環境、科学