「見殺しにする気か」電話から漏れる怒声 保健所の1日

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川辺真改
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 毎日発表される新型コロナウイルスの感染者数の裏には、感染者らと向き合い、苦闘する保健所の職員たちがいる。患者の疫学調査や入院調整などを担う。ある保健所の1日に密着した。現場の職員は言った。「ここは先の見えない戦場だ」

 JR金沢駅から北西に1・7キロ。8月中旬のお盆明けの火曜日、住宅街の一角にある金沢市保健所を訪れた。

 午前8時半 始業時間。2階の地域保健課で電話が鳴り始めた。

 「食事の時はマスクを外して会話はしましたか?」

 「体調にお変わりないですか」

 フロアはコールセンターのようだ。

 同課では現在、課員30人と他部署の応援職員ら30人を合わせた計約60人が常駐する。大半の職員が、感染者や医療機関との電話対応に当たる。

 同課が担うのは濃厚接触者を探る疫学調査や、自宅療養になった感染者・濃厚接触者の健康観察、症状が重い感染者の入院調整などだ。患者を移送することもある。車両更新に伴って消防から譲り受けた救急車を使う。

 金沢市は8月2日から、5月に続き2度目のまん延防止等重点措置の対象に指定されている。月別の感染者数は6月に115人だったのが、8月は1115人(27日現在)になった。

 毎日、医療機関から新規の感染者の届け出が数十件ある。聞き取りできない感染者が毎日必ず生まれ、翌日以降に積み残しになる。この日も電話は鳴りやまず、記者が職員に取材で声をかけるタイミングはほとんどなかった。

苦情を言われ、怒鳴られ、時にうそも言われる。保健所の職員たちはどう対応しているのでしょうか。帰宅が日を回る過酷な日々の中で、数少ない息抜きもありました。

 午後0時半 昼休み。保健師…

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この記事を書いた人
川辺真改
政治部|自民党担当
専門・関心分野
国内政治、社会福祉、スポーツ