開幕直前の無観客決定 スポンサー恨み節「全て無駄に」

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橋田正城 藤田知也
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 国内外から訪れた大勢の観客に、自社や商品を存分にPRし、たくさんの関連消費も生まれたら――。東京五輪のスポンサー企業が当初抱いた期待は、大半の会場が無観客と決まったことで、はかなく消え去った。憤り、自嘲、恨み節。経済効果の薄れた五輪に、様々な声が聞かれた。

 「IもJも、感染状況の認識が甘い」。あるスポンサー企業の幹部は憤りを隠さない。IはIOC(国際オリンピック委員会)、JはJOC(日本オリンピック委員会)のこと。開幕直前になってから大半の会場が無観客になり、対応に翻弄(ほんろう)されているからだ。

 顧客にプレゼントする予定だったチケットは、急きょ発送を中止。得意先も会場に招待できなくなった。「宣伝効果は消える。開催に否定的な世論もあり、スポンサーとして五輪に参画した、と胸を張って言うこともできないだろう」

 米P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は9日、東京・台場に建設済みだった「SK―Ⅱ」ブランドのパビリオンの一般公開を中止すると決めた。「SK―Ⅱ」は東京五輪の公式スキンケアブランド。別のスポンサー企業も、会場近くへのPRブース出展中止を決定。無観客を踏まえたほか、人流抑制を求める世論に配慮したという。「今は、企業名が出てもメリットにならない」(広報担当者)。

 他のスポンサーの担当者も「逆風下の五輪で、今は『とにかく目立たない』が最優先。億単位の金を払って何をやってんだ、という感じ」と話す。

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