第2回焼き肉食べたら苦い 体重10キロ減、戻らなかった味覚

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杉浦奈実
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 「治って良かった」というけれど、体調が元に戻ったということではない――。

 新型コロナウイルス感染症では、症状が比較的軽症であっても後遺症に悩まされる人がいる。医療機関に入院しなかった場合は、そもそもコロナについての本格的な診断や治療を受ける機会がないことも、感染した人の不安を大きくしている。

 大阪市で内装業を営む60代男性は、味覚障害に苦しんだ。

 5月はじめ、高熱が出て病院で検査を受け、新型コロナウイルスに感染したことがわかった。どこで感染したのかはわからない。

 当時、大阪は第4波のまっただ中だった。ホテルか自宅での療養を選ぶことになり、陽性判明から3日ほどして、ホテルに入ることになった。

 38度以上の熱が繰り返し出て、息も苦しい。ホテルの担当看護師に「先ほどしんどくなって寝たが、心配」と伝えても「様子を見ましょう」と言われるなど、不安や戸惑いが募った。

 「どうしたらいいかわからない。でも、みんなが大変で、医者も来られない状況だったのだと思う」

 体が受け付けず、食は進まなかった。味覚にも違和感があった。

 「感じすぎる、というか。牛乳や果物は気にならないが、焼き肉とか味の濃いものはきつい。たれが苦く感じて、食べる気がなくなるんです」

 元々、身長170センチで7…

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この記事を書いた人
杉浦奈実
くらし科学医療部|環境省担当
専門・関心分野
生物多様性、環境、科学