菅原前経産相に起訴相当 香典めぐり、検審「選挙念頭」
前経済産業相の菅原一秀衆院議員(59)=自民、東京9区=の事務所が選挙区内で香典などを渡していた問題で、菅原氏を公職選挙法違反罪で不起訴(起訴猶予)とした東京地検の処分について、東京第四検察審査会は「起訴相当」と議決した。議決は2月24日付で、12日に公表された。
検審は議決書で「本件供与は個人的関係だけで行ったものではなく、将来における選挙も念頭に置いたものと考えるのが自然だ」と指摘。検察には「公選法は金がかからない選挙を目指しており、国会議員はクリーンであってほしいという国民の切なる願いにも十分配慮すべきだ」と求めた。
地検は議決を受けて再捜査する。不起訴が維持された場合、検審は2度目の審査を行い、再び「起訴すべきだ」と議決すると菅原氏は強制的に起訴される。
公選法は、選挙区内での寄付を原則禁止し、香典については議員本人が持参した場合のみ例外的に認めている。地検の認定によると、菅原氏は2017~19年、選挙区内の18人に故人の枕もとに供える花(計17万5千円相当)を贈ったほか、9人に対する香典(計12万5千円)を秘書に代理持参させたという。
地検は20年6月、香典の代理持参は違法と認定したが、大半は菅原氏本人が持参しており、「例外的だった」と判断。「公選法を無視または軽視する姿勢が顕著とまでは言いがたい」とし、経産相を辞任したことも考慮して起訴を猶予した。
この問題は19年10月に週刊誌で報じられ、菅原氏は同月中に経産相を辞任した。