WHO「初回で起源特定」の期待を牽制 コロナ武漢調査

ロンドン=下司佳代子
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 新型コロナウイルスの起源をめぐり、中国・武漢で始まった世界保健機関(WHO)の現地調査について、WHOの緊急対応責任者マイク・ライアン氏は29日、「最初の調査だけで起源を見つけることが成功ではない」と述べた。今回の調査で起源が特定できるという期待を牽制(けんせい)した形だ。

 ライアン氏はこの日の記者会見で「動物と人間の接点に関する調査では、最初の調査で起源を見つけることだけが成功ではない」と指摘。「これは複雑な任務で、私たちがしなければならないのは、すべてのデータや情報を収集し、議論を要約して、病気の原因についてどれだけ分かっているか、さらに解明するためにどんな研究が必要か、判断することだ」と語った。今回の結果により、さらなる調査が必要になるという見方を示した。

 調査団は、各国から集まったウイルス学や疫学の研究者ら計15人で構成される。中国に到着後、2週間の隔離を経て、29日に武漢市の中心部にある中西医結合病院を訪問した。原因不明の肺炎患者が相次いでいることを初めて市の疾病予防コントロールセンターに通報したことで知られる。

 今後、最初の集団感染が起きた「華南海鮮卸売市場」や、中国のウイルス研究の中枢の一つで、米国のトランプ前政権がウイルス流出の疑いをかけた「武漢ウイルス研究所」なども訪れる予定だ。

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