プール方式でPCR検査、国が費用負担 都道府県に通知
新型コロナウイルスのPCR検査をめぐり厚生労働省は22日、複数の人の検体を混ぜて検査する「プール方式」を国が費用負担する行政検査として認める通知を都道府県などに出した。感染拡大地域で、感染者が出ていない医療機関や高齢者施設で陽性者がいないか調べる一斉検査などでの使用が対象。患者や感染が疑われる人、濃厚接触者には使えない。
プール方式は複数人の検体を混ぜて検査し、陰性なら全員が陰性となる。陽性の場合は改めて1人ずつ検査して判定する。そのため、比較的陽性者が少ない集団で効率的に検査できるとされている。
厚労省研究班によると、一度に10人分を検査すると精度が落ち、5人分だと個別検査の場合と近い結果が得られた。検査機器や試薬についても精度にばらつきがあった。このため、厚労省がまとめたプール検査法の指針では、一度に検査するのは5人分を基本とするよう推奨した。検査機器と試薬は十分な精度があることを確認した上で使うことを求めた。
医療機関や高齢者施設での一斉検査に限定し、新型コロナの簡易検査キットによる検査を、これまで使えなかった無症状の人にも行政検査で行えるようにする。対象は職員や入院入所者に限る。陰性でも感染予防策を続けることや、陽性で医師が必要と認める場合にはPCR検査などで確定診断することを使用の条件とする。
診療所などで発熱患者の検査に使われる予定だった1250万キットを活用する。