あおり続けたトランプ氏 やまぬ非難、影響力低下の見方
米大統領選の結果を確定させる手続きを阻止しようと、トランプ大統領の支持者たちがワシントンの連邦議会議事堂に実力行使で乱入した。米国の民主主義の根幹を揺るがす事件に、衝撃が広がった。
ワシントンは6日夜明け前から、物々しい雰囲気に包まれた。「米国を再び偉大に」と書かれた赤い帽子をかぶったり、「トランプ2020」と書かれた青い大旗を振りかざしたりする人たちが続々と集まった。「選挙を盗むのをやめろ」と書かれたプラカードを掲げる人も多かった。
この日は、米大統領選で各州に割り当てられた選挙人の投票結果が上下院の合同会議で確認される予定だった。通常の大統領選では注目されない事務的な議会手続きだが、トランプ氏は証拠を示さずに「不正選挙だった」と主張し、敗北を認めていない。支持者にも、合同会議に合わせての抗議を呼びかけていた。
集まった支持者はホワイトハウス南側の会場に入りきらず、近くにあるワシントン記念塔の前の緑地を埋めた。ワシントンのバウザー市長は銃の持ち込みの禁止を周知していたが、こん棒や角材のような旗ざおや杖を手にしたり、ヘルメットや防弾チョッキを着けたりする人もいた。
正午前にトランプ氏が防弾ガラスの張られた舞台に姿を現すと歓声が上がった。トランプ氏は選挙不正の訴えを1時間以上続け、「ここにいる全員が連邦議会議事堂に行き、平和的に愛国的に、あなたたちの声を聞かせるために行進することを知っている」と呼びかけた。
■議長席に座り、建物も破壊…