1年生市議に異例の辞職勧告「住民訴訟を起こしたから」
臼井昭仁
「金魚のまち」で知られる愛知県弥富市の議会がもめている。9月にあった市議会定例会で、約半年前に当選したばかりの議員に対する辞職勧告決議案が可決された。「(当選前に)住民訴訟を起こし、オンブズマン活動で市に大きな負担を負わせた」。専門家から「他で聞いたことがない」との声さえ上がる異例とも言える辞職勧告理由だ。
「議員になったら(辞職勧告決議は)受けるかもしれないと覚悟はしていたが、こんなに早く受けるとは思わなかった。議会がこんなにひどいとも思わなかった」
ぶぜんとした様子で加藤明由市議(無所属)はそう語る。
弥富市議会はこのところ、もめごと続きだ。
きっかけになったのは、大原功議長所有のアパートの壁が市有地の水路へ、約65センチはみ出していた問題。現在、市側と議長側が互いに訴え合う事態に発展している。
この「壁問題」を昨年、住民監査請求で明らかにしたのが加藤氏だった。2月の市議選で初当選し、6月定例会では、大原議長に対する不信任決議案を提出。定数16の議会で賛成8、反対6で可決された。
今回の加藤氏への辞職勧告決…