豪州国立図書館、日本語資料の収集大幅減へ 中国を優先

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シドニー=小暮哲夫
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 オーストラリア国立図書館(キャンベラ)が、日本語など複数のアジア言語の図書の収集を、大幅に縮小する方針であることがわかった。同図書館の日本語の所蔵資料は日本国外では世界でも有数の内容で、研究者らに懸念が広がっている。

 同図書館は1950年代から収集してきた「アジアコレクション」と呼ぶ、東・東南アジアの各言語の図書の充実で知られ、豪州のアジア理解に大きな役割を果たしてきた。図書館によると、電子版を除く1千万点の収蔵資料の13%を占める。ただ、7月からの新しい収集について、中国とインドネシア、太平洋の島国を優先する方針を打ち出した。

 図書館は朝日新聞の取材に対し、予算の制約を理由に挙げ、最大の貿易相手国(中国)、最も人口の多い近隣国(インドネシア)、豪州の開発協力の役割が大きい地域(島国)に焦点を当てると答えた。ほかのアジア言語の図書の収集は「大幅に減り、やめるかもしれない」と説明。収蔵資料は維持し、引き続き閲覧できるとしている。

 日本語の収蔵資料は約11万…

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この記事を書いた人
小暮哲夫
GLOBE編集部副編集長
専門・関心分野
オセアニア、東南・南アジア、多文化社会