米政府系放送局VOAなどのトップ一斉交代 政権が主導
ワシントン=大島隆
米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)などを管轄する米政府組織のトップがトランプ政権の主導で交代し、各放送局の責任者が一斉に辞職したり、解雇されたりする事態となっている。政権はこれまでもVOAの報道内容を批判しており、人事を機に放送内容が政権の意向を反映した内容になるのではないか、という懸念が出ている。
VOAやラジオ・フリー・アジア(RFA)、ラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE)などの外国向け放送を統括する米グローバルメディア局の最高経営責任者(CEO)に就任したのは、マイケル・パック氏。これまでドキュメンタリー映画製作などを手がけ、トランプ氏の4年前の大統領選を指揮したスティーブン・バノン前首席戦略官に近いことで知られる。
トランプ政権は2018年、パック氏をCEOに指名していたが、上院の指名手続きが滞っていた。ところが、今年4月になってトランプ大統領がVOAの新型コロナウイルスに関する報道を批判し、ホワイトハウスが「VOAは北京のプロパガンダを広げている」と異例の声明を出した。ニューヨーク・タイムズによると、その後にトランプ氏が議会に働きかけ、上院は6月上旬、パック氏の人事を承認した。
VOAの責任者は、複数の新…