政権急転、黒川検事長を処分 スピード辞職で幕引き図る
前代未聞の定年延長という手法で、安倍政権が東京高検検事長にとどまらせた黒川弘務氏。賭けマージャン報道が出るやいなや、今度はスピード辞職に至った。「違法」とも指摘される定年延長、それを後付けで正当化するような検察庁法改正案をめぐる疑問に、政権は答えないままだ。
「すぐに辞任してもらったほうがいい」
黒川氏の辞表提出を受け、安倍晋三首相は21日夕、首相官邸で記者団の取材に応じた。黒川氏の異例の定年延長については「法務省から厳正なプロセスを経て(閣議)請議がされた」と述べるなど、法務省の判断だと繰り返し強調。その上で「首相として当然責任がある。批判は真摯(しんし)に受けとめたい」と述べた。
週刊文春の電子版が20日に報じた賭けマージャン疑惑に、法務・検察に激震が走った。ある法務省幹部は「緊急事態宣言のさなかにマージャンとは」と絶句した。この日、自宅で在宅勤務中だった稲田伸夫検事総長も急きょ登庁するなど、庁内には急速に危機感が広がった。
疑惑が報じられる前は、野党…