イタリア北部は湖北省と同じ WHO「医療水準保てず」
新型コロナウイルスによる死者がイタリアで急増するなか、世界保健機関(WHO)の緊急対応責任者マイク・ライアン氏は18日、あまりに多くの患者がいたために「医療水準が保てない状況があったと思う」との見方を示した。また、イタリアの感染者の致死率が高い理由については、高齢者が多い人口構成など、複合的な原因によるとした。
イタリア政府によると、18日現在で同国の感染者数は3万5713人。死者は1日で475人増え、2978人に達した。
ライアン氏は会見で、欧州各国で致死率が大きく異なる理由について問われ、イタリア北部では患者が圧倒的に多いため、「適切な治療を提供できるか、集中治療で容体の変化に逐一対応できるかという基本的な問題になってくる」と述べ、最初に感染が確認された中国の湖北省と同じような状況になっていると説明した。また、イタリア北部では同時に1200人が集中治療を受けていたとして、最前線にいる医師たちの頑張りをたたえた。
ライアン氏は、人口構成の影響にも触れ、イタリアで高齢者の割合が比較的多いことも、結果的に致死率を上げたと推測した。一方、韓国のデータでは死亡者の20%近くが60歳未満であることから「高齢者だけの病気ではない」と強調し、若い世代でも重症化することに注意が必要だと指摘した。