17日午前9時から、衆院予算委員会の集中審議が開かれました。安倍晋三首相が「意味のない質問だよ」とヤジを飛ばして野党が反発した一件を受け、審議の場で首相が釈明しました。「桜を見る会」問題などでも追及を強める野党に対し、首相はどう答弁したのか。タイムラインで速報し、記者が解説しました。
寸評=石井潤一郎記者
ヤジ謝罪→疑惑紛糾 「こんな議論、子どもたちに見せられない」
17日の衆院予算委員会は、一国の宰相がヤジを飛ばしたことを謝罪するという、異例の幕開けとなりました。ただ、終日の審議が終わってみれば、平行線をたどる質疑と答弁が繰り返されるばかり。気色ばむ安倍晋三首相と退席する野党議員――という図は、国会見学に訪れる子どもたちの目にどのように映るかなと心配になりました。
「不規則な発言をしたことをおわびします」。冒頭、首相は野党議員にヤジを飛ばしたことを謝罪しました。ヤジを飛ばした12日から今に至るまで、謝罪するのか否か、どのような言葉を述べるのかが注目されてきました。首相はこの日の審議冒頭、「厳に慎むよう、総理大臣として身を処して参ります」と語り、低姿勢で審議に臨む考えを表明したように見えました。
しかし、その後の審議は「桜を見る会」についての一連の疑惑をめぐり、たびたび紛糾。首相の答弁も、さほどの変化はありませんでした。棚橋泰文・衆院予算委員長の「頼むからご静粛に」という声がむなしく響くなか、質問と答弁がかみ合うことはほとんどありませんでした。
そんな国会審議について、与党のある予算委メンバーはこう漏らします。「こんな議論、子どもたちには見せられない」。小学生らが見学に訪れる立法府として情けない――。そんな本音がにじみます。
新年度予算案を審議する衆院予算委は、山場にさしかかっています。「将来の夢は首相」と多くの子どもたちに思ってもらえるような骨太な国会議論が展開されれば、今とは違った風景が広がる気がします。
17:50
衆院予算委の集中審議が終了
安倍晋三首相らが出席した衆院予算委員会の集中審議が終了した。「桜を見る会」夕食会をめぐる首相答弁に野党が反発し、審議が一時中断。終了は午後5時の予定から50分ずれ込んだ。
17:00
米国のクルーズ乗客待避、首相「評価」
新型コロナウイルスの感染拡大が続くクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号から米国人乗客らを退避させるため米政府がチャーター機を出したことについて、安倍晋三首相は「我々の負担も軽減するという意味において、米国が直ちにそういう判断をしたということは、我々も評価している」と述べた。
共産党の高橋千鶴子氏が横浜港にクルーズ船を停泊させ、乗客乗員をとどめた政府の対応を「換気が(感染症の)封じ込めには重要。窓のないクルーズ船に長期間、滞在させたことは、感染リスクを高めた」と問題視。「一日も早い全員の検査・下船が必要だ。条件が合えば各国の迎えを受け入れるべきだ」とただしたのに対し、答えた。
加藤勝信・厚生労働相はクルーズ船の乗客乗員への対応について「感染学の専門家から『こうした行動をとることによって感染リスクは少ない』という、行動基準というか、それを示して頂き、それにのっとって対応している」と説明。下船については「健康確認をもう1回する中で、最終的に19日以降になろうかと思う」と述べた。
16:30
自民・岸田氏「支持率下落の要因は…」
「ポスト安倍」に名乗りを上げている自民党の岸田文雄政調会長。国会内での記者会見で、一部報道機関の世論調査で安倍内閣の支持率が下落したことについて「支持率下落の要因については様々な要素があると思う」と述べ、こう列挙した。「桜を見る会をめぐる国会でのやりとり、IRをめぐる疑惑、大臣の辞任……。様々な要素があるのではないかと想像する」
岸田氏はその上で、「支持率下落の傾向が今後も続くのか、一時的な反応なのか。この辺はしっかり見ていかなければならない」とも述べた。
16:20
桜を見る会に「終止符打てないか」と前原氏
「総理が国民、あるいは我々を納得させる、わだかまりを氷解させる努力を何かされたらどうですか。ご自身で努力し、何か工夫されませんか」
野党統一会派の前原誠司・元外相(国民民主党)が質問に立った。前原氏は「桜を見る会」の問題をめぐり、安倍晋三首相にこう提案。国会論戦でのスキャンダル追及を嫌う前原氏だが、与野党の対立が深まる中、言及せざるを得なくなったようだ。
前原氏は「質問通告はしてい…
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