減る盲導犬、アプリも進歩…それでも一緒に暮らす理由
土屋亮
国内で活動する盲導犬が減っている。視覚障害者の日常を支える大切なパートナーはなぜ、姿を消しているのか。
東京都練馬区の幹線道路沿いにある公益財団法人「アイメイト協会」を訪ねた。国産盲導犬第1号のシェパード「チャンピイ」をはじめ、生涯に1100頭以上を育てた塩屋賢一さん(故人)が設立した伝統ある団体だ。ここを卒業して働く犬は2018年度で219頭。09年度の314頭から大きく減った。
盲導犬は生後2カ月を過ぎてから約1年、一般家庭に預かってもらった後、訓練に入る。情緒を安定させ、人間社会への適応力を育むためだ。以前は「子どもの情操教育になる」と引き受ける子育て世帯が多かった。
しかし、少子化や共働きの増加などで子犬の世話を申し出るボランティア家庭は減っている。マンションが増える都心部では、そもそも盲導犬向きの大型犬は飼いにくい。協会の塩屋隆男代表理事は「子犬の飼育家庭を見つけるのが本当に大変。どうにも見つからず、1カ月間、あちこちにお願いしてまわったこともある」と言う。
財政的な課題もある。盲導犬…
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