「西から昇ったおひさま」見えるのだ 中3の計算が表彰

有料記事子どもって、すごい自由研究の達人になる

佐藤孝之
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 「西から昇ったおひさま」が見たい!! 青森県弘前市弘前大学教育学部付属中学校3年の工藤優耀(ゆうよう)君(15)がそんな研究テーマに取り組み、一般財団法人理数教育研究所(事務局・大阪市)が主催する「算数・数学の自由研究作品コンクール」中学校の部の最優秀賞に輝いた。常識を覆す発想は、ある人気アニメの主題歌がヒントになった。

 研究のきっかけは昨年7月、数学の授業で先生からコンクールへの挑戦を促されたことだった。夏休みに入ってテーマをあれこれ思案するうち、●(歌記号=いおり点=)西から昇ったおひさまが東へ沈む――という赤塚不二夫原作のアニメ「天才バカボン」の主題歌の一節が頭に浮かび、「『西から昇る太陽』を証明できたら常識を覆す面白い研究になる」と考えた。

 まず三平方の定理を使った計算で、高い所ほど地平線までの距離が長くなることを証明。西の地平線に太陽が沈んだ直後に素早く高所に行けば再び太陽が地平線から顔を出すと考え、50秒で地上350メートルの展望台に到達する東京スカイツリーのエレベーターで実現性を検討した。

 計算では地球を半径6400キロメートルの完全な球体、スカイツリーの位置を北緯36度などと仮定。地上で日没を見た瞬間にエレベーターに乗ると、50秒後に何メートルまで上がれば太陽が再び見えるかを三角比や理科の知識も駆使して計算した結果、「35メートル」という解を得た。

 つまりスカイツリーのエレベーターなら計算上は余裕で西から昇る太陽が見られることがわかった。地上350メートルの展望台では、地上での日の入りから約160秒後まで太陽が見えていることも算出。さらに、日の入りからの経過秒数と西から昇る太陽を見るのに必要な地上からの高さの関係式まで導き出した。

 研究にあてた期間は夏休み中…

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