実質賃金、大半マイナス 実感乏しいアベノミクスの弱点

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森田岳穂 内山修 松浦祐子
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 「毎月勤労統計」の不正調査で、2018年の「実質賃金」の大半がマイナスになる可能性があることがわかり、野党が安倍政権への追及を強めている。「名目」と「実質」の違いが、景気回復の実感に乏しいアベノミクスの弱点を改めて浮かび上がらせている。

 「アベノミクスが重視する賃金の動向に疑義が生じている」。国民民主党の榛葉賀津也氏は31日午前の参院代表質問で、安倍政権の「看板政策」を批判した。これに対し、安倍晋三首相は「5年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが連続している」と反論した。

 だが、同日午後あった野党合同ヒアリングでも「アベノミクスにより賃金上昇だと言っていたが、実質賃金はマイナスだった」「実質賃金隠しだ」などと、野党側による追及の気勢は上がる一方だ。

 厚生労働省に端を発した統計不正では、他省庁を含めて他の統計でも次々とルール違反などが明らかになった。そこに新たに野党の試算で、18年1~11月の「実質賃金」の前年同月比の増減率を実態に近い数値でみると、大半でマイナスだった可能性が明らかになった。

 野党が勢いづくのは「実質賃金」が、アベノミクスの「弱点」を突くデータだからだ。

 実質賃金は、給与や賞与の金…

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