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3字ルビ及び4字ルビの処理

InDesign上での3字ルビ及び4字ルビの文字ルビかけ処理について、私の方法を……。


『日本語文書の組版方法(JIS X 4051:2004)』では、親文字列長がルビ文字列長未満の場合、つまりルビがハミ出す3字ルビや4字ルビは、「親文字群の前の文字が空き,平仮名,分離禁止文字又は和字間隔」、「後ろの文字空き,平仮名,終わり括弧類,句点類,分離禁止文字又は和字間隔」のいずれかの場合には、「ルビ文字を最大でルビ文字の文字サイズまで」かけて配置するとなっている*1。


※ここで注意しなければならないのは、前の文字部分に「始め括弧類」がなく、前後共に「行頭禁則和字」及び「片仮名」がないこと*2。
始め括弧類については活版時代から行われている主に見栄え上の理由だと思われるが、「行頭禁則和字」については以前記事から続く計三つの記事をご参照願いたい。


「中付き/モノルビ」という設定で、InDesign CS3のデフォルトで組むと……*3。



上記のルビかけの定義からは間違いはないが、ルビが親文字のセンターに位置しているかどうかを考えると、満足できるのは●を付したモノのみでしかない*4。


これをルビ設定の「ルビが親文字より長いときの調整」で「文字かけ処理=無制限」とした場合は……



さらに「親文字間の調整=調整しない」とした場合は……



基本的には親文字とルビはセンター揃えとなったが……
ここからさらに文字かけ不可の3字ルビ及び4字ルビの親「文字の前後のアキ量」をシコシコ調整(■は四分アキ、■は二分アキ)してやっと欲しいモノが出来上がる。



もちろん、校正時の文字の追加/削除などで行頭/行末にかかる場合もあるので、(その扱いを変えなければならないだろうから)注意が必要なことは言うまでもない。
このような処理は「電子書籍」ではどうなるのだろうか……。


コメント欄に応えて……(100514追記)
5文字ルビは滅多にないが、基本的には上記と同じ考え方で、(ルビ3字分÷2=親字のサイズで75%ずつオーバーするので)前後の字種によって仮名なら「四分アキ」、漢字なら「二分四分アキ」を設定してやればイイ。



見栄えが少々問題にはなるが、編集者および著者と相談して漢字に対してもルビの半角分程度のルビかけを許容する*5などルールを変更することもある。その場合は「二分アキ」を設定することになる。


●当ブログ内関連頁
ルビ_漢字にもルビ半角分かける場合
行頭及び行末にかかる3字ルビ及び4字ルビ
5字ルビの組み見本
熟語ルビ/ルビのぶら下がり etc.

*1:もちろん処理系定義として変更するのは自由ではあるが……

*2:尚、その詳細を記した JIS X 4051:2004の「表5」では、ルビの親文字の前の「始め括弧類」は「二分かけ」、「行頭禁則和字」は「空白」、後ろの「終わり括弧類」は「二分かけ」、「行頭禁則和字」は「ルビかけ」となっている。この場合の「二分かけ」はルビの半角分(親文字の四分)で「ルビかけ」はルビの全角分(親文字の半角)。また「片仮名」は「漢字」と同じ文字クラスに分類される_100521追記

*3:文例は『標準 校正必携』から拝借させていただいた。考えるのが面倒だったのもあるがよく出来ている

*4:前後の文字種による偶然の結果でしかない

*5:この方法は『日本語文書の組版方法(JIS X 4051:2004)』では処理系定義のオプション扱い_100521追記