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link rel="canonical"のようなURL正規化タグをSEOで有効活用するには

canonical(カノニカル)タグは、<link rel="canonical" href="○○">のように使われます。そもそもcanonical属性とは検索エンジンに対してどんな意味を持ったタグなのでしょうか? 基本情報からSEOで活用すべきシーンなどを事例で紹介します。

ヤフー、グーグル、そしてMSN Live Search(マイクロソフト)は、新しい「URL正規化タグ」をサポートすると発表した。

このタグを使えば、ウェブマスターやサイトオーナーが検索エンジンのインデックス内での重複コンテンツ問題を解消できる(ただし、自サイト内の問題のせいで生じる重複インデックスのみ)。

僕が思うに、これはSEOのベストプラクティスにとって、サイトマップの登場以来最大の変化だと思う。SEOmozでは最新ニュースを届けることより戦略について論じることに重点を置いているから、このブログで検索エンジン関連の発表や「ニュース」を取り上げるのは珍しいことだ。でも、今回の発表は間違いなく注目すべきものだし、急いで知識を取り入れる必要がある。

経験の浅い人もベテランも、SEOを手がけている誰もがこのURL正規化タグについて理解を深められるよう、以下にQ&Aを作ってみた(どうぞ遠慮なくプリントアウトしたり、メールしたり、開発者やウェブマスターなど、この問題に迅速に対応する必要のある人たちと共有したりしてほしい)。

URL正規化タグはどのように機能するのか

このタグは、title要素やmeta要素のdescription属性と同じく、HTMLのhead要素内に置かれる。実際には、新しいタグができたわけではなく、nofollowのように、link要素で使える新しいrel属性値が増えただけの話だ。書式の例を示しておこう。

<head>
……(他のhead要素)……
<link rel="canonical" href="http://www.seomoz.org/blog">

これは、ヤフー、MSN、グーグルに対し、そのページを「www.seomoz.org/blog」というURLのコピーとして扱うべきだということと、検索エンジンが適用するリンクとコンテンツの指標はすべてこのURLに還元すべきだということを伝えるものだ。

Canonical URL Tag
たとえばメールマガジンからの誘導でURLに「?ref=123」といったパラメータを付けていると、これまではパラメータなしの本来のURLとは別のページだとみなされてしまっていたが、URL正規化タグがあると、そこで指定されたURLとして扱われる。

URL正規化タグの特性は、SEOの観点から見て、多くの面で301リダイレクトに似ている。要は、(301リダイレクト先と同じく)複数のページを1つのものとして捉えて、実際には訪問者を新しいURLに送り込むことのないよう検索エンジンに伝えるものだ(しかも、開発スタッフの負担をかなり軽減できることも多い)。ただし、301リダイレクトとはいくつか違いもある。

  • 301リダイレクトはすべてのトラフィック(検索ロボットと人間の訪問者)を対象とするのに対し、URL正規化タグは検索エンジンだけのためのものだ。だから、同じコンテンツを持つ複数のURLへの訪問者を個別に追跡できる。

  • 301リダイレクトの方が、複数のページが単一の正規ソースを持っていることを示すシグナルとしてはるかに強力だ。各検索エンジンが新しいURL正規化タグをサポートし、サイトオーナーの意図を信頼しようとしていることは確かだけど、そこには限界もある。サイトオーナーが手違いで、あるいは操作的意図をもってこの新しいタグを使ったのではないことを確認するために、コンテンツ分析その他のアルゴリズムが指標として適用されるだろう。

    また僕らは確実にこの新しいタグが誤用され、その結果、検索エンジンが複数のURLをインデックスに残し続けることになると予想している(これは、サイトオーナーが下記で説明するような問題に遭遇することを意味する)。

  • 301リダイレクトはドメイン名にかかわらず機能できるから、「ドメイン名1」のページを「ドメイン名2」へ転送し、検索エンジンの各指標をドメイン名をまたいで引き渡すことが可能だ。しかし、URL正規化タグではそれはできない。このタグは、1つのルートドメイン名上でのみ機能する(サブフォルダやサブドメイン名をまたぐ引き渡しは可能だ)。

今後さらに多くの違いがわかってくると思うけど、URL正規化タグはまったく新しいものだから、このタグの適用がどのように機能するのか、SEO担当者が十分な証拠を集めるのに数か月はかかるだろう。過去に導入されてきたnofollowやサイトマップ、ウェブマスターツールのプラットフォームは、どれも導入後に使い方が変わったから、今回もそうなることに疑いの余地はない。

SEO担当者はいつ、どこで、どのように、このタグを使用すべきか

これまで多くのサイトが、同一コンテンツが異なるURLで複数バージョン存在するという状況に陥ってきた。これは3つの大きな問題を引き起こす。

  1. どのバージョンをインデックスに取り込み、どれを除外すべきか、検索エンジンが判断できない
  2. リンク指標(信頼度、オーソリティ、アンカーテキスト、リンクジュースなど)を1つのページにまとめるべきか、それとも複数バージョンに分散させたままにすべきか、検索エンジンが判断できない
  3. 検索結果にどのバージョンを入れるべきか、検索エンジンが判断できない

こうした問題が発生すると、サイトオーナーは検索順位やトラフィックの低下に、検索エンジンは関連性の低下に悩むことになる。こうした問題の解決策として僕たちSEO業者やウェブマスターが新しく手に入れたのが、URL正規化タグを利用するという方法だ。これを試してみるべきなのは、たとえば次のような場合だね。

Canonical URL Issues for Categories
同じコンテンツがカテゴリごとに別URLになっている場合
Canonical URLs for Print Versions
印刷用ページを別URLで提供している場合
Canonical URLs for Session IDs
セッションIDなどの訪問者識別用パラメータを使っている場合

上の図は、URL正規化タグが使える一般的な例だけど、もちろん用途はこれだけに限らない。というより、用途なんてサイトによってそれぞれ違っていることが多いんじゃないかな。社内のSEO担当者やSEOコンサルタントに相談して、このタグを使用するべきか否か、どのように、そしてどこに使用するのかを決めるといい。

この記事は前後編の2回に分けてお届けする。次回は、検索エンジン各社から提供されている情報と、URL正規化タグに関する疑問点についてお伝えする。→後編を読む

用語集
HTML / SEO / URL正規化タグ / link rel=canonical / meta要素 / nofollow / アンカーテキスト / インデックス / セッション / ドメイン名 / リンク / ロボット / 検索エンジン / 訪問者 / 重複コンテンツ
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