#05 日本ではホワイトペーパーよりも自社セミナーが有効~新規顧客をみつけるための10の方法
[特集]新規顧客をみつけるための10の方法 リードジェネレーション入門
ネットもネット以外も全部まとめてプランしよう
日本の顧客のスタイルに合った
リアルの場でのリードジェネレーション
自社開催の参加無料セミナーは
日本では有効なBtoBマーケティング施策
欧米ではBtoBのマーケティングの重要なプロセスが「ウェブサイトからホワイトペーパーをダウンロードしてもらう」ことだが、日本ではセミナーを自社で開催するのが有効だ。
日本では「詳細な情報が欲しければ営業に来てもらうか、セミナーに出かける」という人が多いからだ。日本人のテキスト(文字)嫌いの傾向が「ホワイトペーパーを欲しがらない」という現象に出てしまっているのだ。
また、BtoBでは、興味を持った人が自分の社内に紹介したり、購入の稟議を書いたりする前に、情報を収集する傾向が強いため、事例をテーマにしたセミナーはその情報収集としては最適なのだ。
しかし、自社セミナーを実施している企業は意外に少ないし、セミナーに尻込みするマーケティング担当者も多い。理由は集客だろう。セミナー会場を満席にできる自信がないのだ。申し込みが伸びず、当日までハラハラするのは嫌なものだ。ガラガラの会場では話す方も聴く方もむしろ緊張してしまうし、「ガラガラだったよ」というクチコミほど怖いものはない。
無料セミナーの場合、参加者の当日の欠席率(減衰率)は30~40%と考えるといい。申し込んだ人が100人いても、当日実際に参加する人は60~70人という計算だ。これは弊社のクライアントの平均値で、企業によって異なるが、たとえば30人の会場を満席にしようと思えば50~60人の申し込みが必要ということだ。
自社の顧客や見込み客リストに対してメールでセミナー案内をした場合、セミナー告知ページのクリック率は、やはり弊社クライアント平均でだいたい2~7%だ。このクリックした人のうち、申し込みをしてくれるのは10~15%。つまり20人の会場を満席にするには30人の申し込みが必要で、申し込みのコンバージョン率を10%、クリック率を5%と仮定すれば6000人にセミナー告知をする必要がある。
この6000人という数は、展示会に2回出展すれば十分に収集できる数だ。あるいは社内の名刺をかき集めれば、収集できる数かもしれない。
メールで20人の参加者を集め、営業部門が商談中のお客様を5~6人と、リプレイスを検討中の顧客を4~5人呼んでくることができれば30人の参加者でセミナーを開催できる。30人揃えば立派なセミナーが十分成立する。
6000人に告知
↓クリック率5%
300人がセミナー情報ページを閲覧
↓コンバージョン率10%
30人が申し込み
↓参加率70%
21人がセミナーに参加
↓既存の顧客やリードを招待
30人のセミナーが成立
セミナー開催のコストは社内のリストに告知して、社内の誰かが講師をすれば実質的に会場費だけだ。20~30人の会場であれば10万~25万円程度で押さえられる。
セミナーは新規リストよりも絞り込みに効果を発揮する
自社セミナーで新規リストを集めようと考えている企業を見かけるが、実はこれは効率が良くない。自社にリストがない場合は集客が難しく、シミュレーションもできないからだ。また、広告媒体や外部リストを利用した場合は、顧客・見込み客のリストに比べて「縁が薄い」から当日の欠席率も高い傾向にある。
私は、セミナーはあくまで見込み客を絞り込むプロセスとして位置づけるべきだととらえている。BtoBでは、見込み客は展示会や営業の名刺交換などのリアルチャネルで獲得し、それを啓蒙・育成するツールとしてウェブやメールマガジンを活用する。さらに絞り込むプロセスとしてセミナーを開催するのだ。
ビジネスで結果を出すことを重視するならば、ネットだけにこだわる必要はない。リアルとネットの長所短所を知ったうえで、場合に応じて「リアルとネットを複合的に組み合わせた手法」を活用することが、営業案件創出のためには重要なのである。
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